少し悲しい話になります。3年前、「最近、顔がずっと赤いなぁ」と思い皮膚科に行ったところ、『酒さ』と診断されました。診断を受けた時は、「一時的なニキビや吹き出物」のような感覚で、お薬をもらって帰りました。それから3年が経った今、私の顔は、その時の赤ら顔のままなのです。この『酒さ』は、私が想像していたよりも遥かに厄介な病気でした。というのも、現時点で酒さの原因も治療方法も不明なのです。「治したい」けど「治らない」そんな悩みを抱えたまま、3年を過ごしました。この3年の間、『酒さ』によって私の生活は大きく変わりました。鏡を見る度に自分の赤ら顔に落ち込み、職場でも人と会話するのが辛く、化粧品は何を使っても合わなくなり、最後は精神的に『うつ状態』になってしまいました。もちろん治したいと思っていたので、あの手この手で治療はしてきましたが、どれも全く効果はなく、「治す」ことより「隠す」ことを考えるようになり、風邪でもないのにずっとマスクをして生活していました。そんな生活が続くうち、職場では「なんでずっとマスクをしているのだろう」と影で噂されるようになり、マスクの下の秘密を伺うかのようにジロジロと見られ…ついに私は心が折れてしまい、職場に行くことが出来なくなってしまいました。「治したい」という気持ちはあるけど、自分の顔を見る度に涙が出てしまう。沢山のお医者さんにも見てもらいましたし、お薬も漢方も飲んできました。でも、ダメでした。酒さは、毛細血管が拡張し続ける為に赤ら顔になります。赤ら顔を治したいのなら「毛細血管を拡張させなければいい」ということになりますが、生活していく限り、体を動かす限り、毛細血管は拡張するのです。また、酒さは「遺伝」によって起こるとも言われているので、今更何かをやったところで、それは生まれながらに組み込まれた「運命」なんだと思います。
とはいえ、生きていかなければいけないのです。生活費を稼ぐ為、仕事もしなければいけません。私は、酒さを治すことを諦め、マスクをしたままで出来る清掃のお仕事を始めました。「治したい」、けど「治らない」という気持ちのまま清掃の仕事を続けて1年が経った頃、「もういいや」と諦めに近い感情になりました。それは悲観的な感情ではなく、むしろ「吹っ切れた」という感じです。
そして今現在、私はマスクやお化粧で顔を隠すこともしていません。「私のことなんか誰も見てはいない」と思えるようになった今は、毎日すごく前向きに生活出来ています。事務のお仕事に就くことが出来ました。まったく気にしないことで、心なしか数年前よりも赤ら顔の炎症が薄くなっているようにも思います。
「酒さ」は治る人は治る病気です。しかし、私のように『治せなかった人』は、『気にしない』というのが一番効果的な治療であるように思います。