顔が赤くなる、毛細血管が広がって赤い斑点がでるので皮膚科に行くと「酒さ」あるいは「酒さ性ざ瘡」、「酒さ様皮膚炎」と診断される場合があります。
このような診断を受けた場合には一般的にどのような治療が行われるかを紹介します。

【酒さにはどんな症状がでるのか】

酒さの症状は顔面と頭皮だけに生じます。進行は4段階に分かれています。

酒さ前駆期

症状は顔面が赤くなることに限られている段階です。

血管期

顔面のあちらこちらに毛細血管が広がってできる紅斑(こうはん:赤い斑点、指で押さえると色が消えます)や浮腫(ふしゅ:水ぶくれのように顔の一部分が腫れ上がることです)が生じる段階です。

炎症期

丘疹(きゅうしん:ちいさなぶつぶつ)、膿疱(のうほう:中に膿(ウミ)がたまったぶつぶつ)が生じる段階です。膿疱はニキビと同じなので、酒さが大人ニキビとよばれることがあります。

進行期

頬や鼻にこぶができる段階です。

【酒さの段階別治療法】

酒さ前駆期

顔が赤くなるような状況を避けることによって、次の段階に進むことを防げることがあります。以下にその要因を示します。要因が存在しても顔が赤くならなくなるような治療法はありません。
・日光に当たる
・精神的ストレス
・寒いまたは暑い
・アルコール
・香辛料が入った食品
・運動
・風にあたる
・熱い風呂に入る
・化粧品
・熱い飲み物を飲む

要因のなかには病気出ない人でも顔が赤くなるものが含まれていますが、異常に赤くなる場合やチクチクするような感じがある場合には酒さの前駆期の可能性があります。

酒さ前駆期の症状は血管期、炎症期、進行期でも続きます。

血管期

日本人の多くの酒さはステロイド剤の長期投与中に生じる医原性(医者の処方に問題がある)とされています。(参照:今日の治療指針2017年版、第20章 皮膚科疾患 しゅさ様皮膚炎、口囲皮膚炎(こういひふえん))

この場合の治療はステロイドの使用を中止することが一番になります。ステロイドの外用薬を使用している場合に中止するト、紅斑が顔全体に広がり、刺激感が強まる場合があります。その場合にはステロイド剤の再開を行ってはいけません。

ステロイド中止による症状の悪化にはタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏(アステラス製薬製造販売)を処方するお医者さんもいます。これは保険適用ではありません。

その他の治療薬としては抗菌薬や抗原虫薬の内服が用いられます。特にニキビ②対する経口医薬品が処方されることが多くなっています。

今日の治療指針2017年版が推奨している処方は以下の2つです。
1)プロトピック軟膏1日1回就寝前+ルリッド錠150mg 1回1錠 1日朝食後と夕食後2回
2)ヒルドイドソフト軟膏 1日朝・夕塗布+ミノマイシン錠100mg 1回1錠 1日朝食後と夕食後2回

海外では白人で多く見られることからアゼライン酸20%クリーム(ニキビ治療薬:日本では薬として承認されていません。穀類や酵母に含まれているので食事として取ることはできます。
そのほか抗菌剤(テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、エリスロマイシン)の内服が行われています。抗菌作用を示すより低い用量で効果がある事が知られているので、効果があれば減量していくことが大切になります。

日本では眼圧低下剤としてしか認められていませんが、α2受容体に選択的な外用アドレナリン作動薬であるブリモニジン0.33%ゲルが有効とされています。

炎症期

治療薬としては血管期と同じです。
炎症が起こるのは免疫が働いている証拠ですが、免疫が過剰に発現している場合もあります。
また免疫に選って死亡した最近は白血球が包み込んでウミとして体外に排出しますが、その機構がうまく働かず、白血球が包み込むことができず、これにまた免疫が反応している可能性があります。(参考:サルコイドーシスとその周辺疾患―皮膚限局性肉芽腫 伊崎 誠一 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 Vol. 36 (2016) No. 1_2)
この免疫に関連する酒さに対して乳酸菌抽出物LFKが有効であるとして、ニチニチ製薬が特許を取っていますが、医薬品としての開発は行っていません。

進行期

鼻瘤に対しては形成外科による治療対象になります。皮膚を削る、組織切除することで美容的には効果があります。

毛細血管を拡張するためにレーザー治療や電気焼灼術(でんきしょうしゃくじゅつ:電気で余分な組織を焼き切る方法です。)

【まとめ】

酒さは日本人ではステロイド剤の長期使用による医原性の疾患が多く、本来の酒さは少数です。そのため、エビデンスの高い(効果がさまざまな試験によって立証されている)ものは少数です。
白人の場合には軽度な場合でも症状が目立つことから研究が進んでいます。治療法は白人向けの治療を参考に記載しました。

【参考】

記載内容は特に記載のない場合にはMSD メルクマニュアルプロフェッショナル版
14皮膚疾患/ざ瘡および関連疾患 酒さを参考にしました。(2017年6月17日参照)